ディアスポラ

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
一通り目を通す。といっても、数学とかは永遠に解らないけれど。
イーガンを読み終わるといつも思うことは「この作者の作品がリアルタイムで読めて幸せ」だけれど、今回も激しくそう思う。映画、漫画、あにめとかの SF がもうホントにつまらなくなっている自分にとって、「これがSFだろ」と言える作品。
今回は特に攻殻を思い出しながら読んでいた。冒頭のヤチマ生誕部分。後半の次元の異なる宇宙(と言って良いのか?)をガンガン進んでいく描写も。
超絶技巧度合いは今まで以上で、ハードルが高いどころじゃないけれど、ストーリーがホントに面白い。過去の長編の中で一番感動できるんじゃないだろうか。過去の作品は性別とか、宗教とか、病気とか、差別や不合理を生み出すモノへの批判というのが軸にあって、そこが鼻についたりもしたけれど、今回はそういう事がなかったのもヨシ。依然として軸としてはあるんだけど(無いとイーガンじゃねえしな)、しつこくないという感じかな。今回も「神」な描写はホント無いよな。

いや、ホントに数学勉強した方がいいよ>これからの人達。